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【有声小说】君の膵臓を食べたい(3)

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物语

(3)


「君の膵臓を食べたい」

“我想吃掉你的胰脏。”

 

学校の図書室の書庫。ほこりっぽい空間で本棚に並べられた書籍達の順番が正しいものか確認するという、図書委員としての任務を忠実にこなしている最中に、山内桜良がおかしな告白をしてきた。

学校图书馆的书库。图书委员的工作,就是在灰尘满布的空间里,检查书架上的书籍排列顺序是否正确。我正认真地执行图书委员的任务时,山内樱良突然说了这句奇怪的话。

 

無視しようかと思ったけど、この空間にいるのは僕と彼女だけで、ひとり言というにはあまりに猟奇的なそれは、やっぱり僕に向けられているんだろう。

我本来想不予理会的,但这里只有我跟她两个人,说是自言自语也未免太惊悚了,这句话果然还是对我说的吧。

 

仕方なく、背中合わせに本棚を見ているはずの彼女に反応してあげる。

她应该正背对着我检查书架。没办法,我只好回应她。

 

「いきなりカニバリズムに目覚めたの?」

“你突然成了食人族吗?”

 

彼女は大きく息を吸って、ほこりに少しむせてから、意気揚々と説明を始めた。僕は彼女の方を見ない。

她深吸一口气,被灰尘呛了一下,然后兴高采烈地解释。我并没有望向她那头。


「昨日テレビで見たんだあ、昔の人はどこか悪いところがあると、他の動物のその部分を食べたんだって」

“我昨天在电视上看到的啦,以前的人要是身体哪里不好,就吃其他动物的那个部分。”

 

「それが?」

“所以呢?”

 

「肝臓が悪かったら肝臓を食べて、胃が悪かったら胃を食べてって、そうしたら病気が治るって信じられてたらしいよ。だから私は、君の膵臓を食べたい」

“肝脏不好就吃肝脏,胃不好就吃胃,他们好像相信这样就可以把病治好哟。所以我呢,想吃你的胰脏。”

 

「もしかして、その君っていうのは僕のこと?」

“这个‘你’,难道是指我吗?”

 

「他に?」

“要不然还有谁?”

 

くすくすと笑う彼女もこちらを見ず仕事に従事しているようだった。ハードカバーの本を並べ替える音が聞こえる。

她痴痴地笑着,似乎也正继续工作,没有看向这边。我听见精装本被拿出来又放回去的声音。

 

「僕の小さな内臓に、君を救うなんていう重荷は背負わせられないな」

“我小小的内脏,没法背负拯救你的重大任务啦。”

 

「プレッシャーで胃まで痛くなっちゃいそうだね。」

“好像压力大到胃都要痛了的样子。”

 

「だから他をあたってよ」 

“所以找别人吧。”

 

「他に誰をあたれって?流石の私も家族は食べられる気しないなあ」

“要去找谁?就算是我也不觉得能吃家人啊。”

 

また彼女はくすくすと笑う。僕と言えば、真面目にも無表情で仕事をこなしているのだから、見習ってほしいものだ。

“她又痴痴地笑起来。我可是面无表情地认真工作,真希望她能好好跟我看齐。”

 

「だから、結局【秘密を知ってるクラスメイト】くんにしか頼めないよ」

“所以只好拜托‘知道秘密的同学’啦。”

 

「君の算段の中には、僕が膵臓を必要としてるって可能性はないの?」

“你就没有考虑到我也可能需要胰脏吗?”

 

「どうせ膵臓の役割も知らないんでしょうにー」

“反正你根本不知道胰脏是干嘛用的——”

 

「知ってるよ」

 “我知道喔。”

 

知っている。その聞き慣れない臓器のことを、僕は以前調べたことがある。無論、彼女がきっかけで。

我知道。我曾经查过这个很少听说的脏器,当然也是因为她的缘故。


著作「君の膵臓を食べたい」から抜き出し  

著者  住野よる

图片来源|百度  (本音频由日语主播 阿雅 提供)


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